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「会社員のままマンション経営を始めたいけれど、勤務先に副業として知られたら問題にならないだろうか」とお悩みではありませんか。家賃収入は本業の給与とは別の収入になるため、勤務先の就業規則によっては、事前の申請や許可が必要になるケースもあります。
本記事では、サラリーマンのマンション経営が副業にあたるのかという基本的な考え方から、勤務先に知られる主なきっかけ、トラブルを避けるための対策までを詳しく解説していきます。
厚生労働省は、労働者が勤務時間外をどのように利用するかは基本的には労働者の自由であり、裁判例でもその考え方が示されているとしています。同省の「モデル就業規則」でも、労働者は勤務時間外に他の会社等の業務に従事できるという考え方が示されています。
ただし、モデル就業規則はあくまでもひな形であり、実際にどのようなルールが適用されるかは、それぞれの勤務先の就業規則によって異なります。「国が副業を認めているから大丈夫」と考えるのではなく、まずは自社の規定を確認することが出発点です。
厚生労働省の資料では、会社が副業・兼業を禁止・制限できるケースとして、次の4つが挙げられています。
マンション経営で特に意識しておきたいのは「労務提供上の支障」です。入居者からの連絡や修繕の手配に勤務時間中まで追われるような状態になれば、本業に支障をきたしていると判断されるおそれがあります。また、不動産会社や建設会社などに勤めている場合は、競業にあたらないかどうかも慎重に確認しておく必要があるでしょう。
区分マンション1室の賃貸と、一棟マンションの経営では、規模が大きく異なります。国税庁は、所得税法上、貸間やアパート等については貸与できる独立した室数がおおむね10室以上であれば、原則として事業として行われているものとして取り扱うとしています。
これは税務上の基準であり、勤務先の副業規定とは別のものです。しかし、一棟マンションは室数が多くなりやすいため、就業規則でいう「事業」や「兼業」に該当すると判断される可能性も考えておきたいところです。小規模な不動産投資と同じ感覚で、「家賃収入だから副業ではない」と自己判断してしまわないよう注意しましょう。
会社員の住民税は、原則として勤務先が給与から天引きして納める「特別徴収」という仕組みになっています。勤務先には市区町村から住民税の決定通知が届くため、家賃収入によって所得が増えると、給与額に対して住民税が高いことから、給与以外の収入があると気づかれるきっかけになる場合があります。
見落としがちなのが、マンション経営が赤字になった場合です。不動産所得の赤字は給与所得と損益通算できるため、所得税や住民税が下がることがあります。その結果、給与から天引きされる住民税が本来の水準より少なくなり、かえって勤務先に違和感を持たれる可能性があります。
特に建築・購入初年度は、取得時の諸経費や減価償却費、借入金の利子などが重なり、不動産所得が赤字になるケースもあります。黒字のときだけでなく、赤字のときにも住民税への影響があることを理解しておきましょう。
マンション経営を法人化し、自分が役員に就任する場合は、役員として報酬を受け取る形になり、勤務先の規定上の扱いが個人での経営と変わる可能性があります。法人化の考え方については、マンション経営の法人化に関する記事でも詳しく解説しています。
また、同僚との会話やSNSへの投稿といった何気ない情報発信から、勤務先に知られるケースも考えられます。住所や物件が特定できるような発信は、入居者のプライバシーを守るうえでも控えておくのが賢明です。
まず取り組みたい基本の対策は、「知られないようにする」ことではなく、就業規則に沿った手続きを踏んでおくことです。副業・兼業に関する規定を確認し、届出制や許可制になっている場合は、マンション経営を始める前に申請しておきましょう。
規定の内容が分かりにくい場合は、人事部門などに確認するのもひとつの方法です。事前に了承を得ておけば、万が一勤務先に知られたとしても、就業規則違反を問われるリスクを抑えられます。
給与以外の所得がある場合、確定申告書の第二表で、給与・公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法として「自分で納付(普通徴収)」を選択できます。これにより、家賃収入に対する住民税を、勤務先を通さずに自分で納めることができます。
ただし、不動産所得が赤字の場合は普通徴収にする税額が発生しないため、すべてが特別徴収になると案内している自治体もあります。取り扱いは市区町村によって異なる場合があるため、お住まいの自治体や税理士に事前に確認しておきましょう。あくまでも就業規則に沿った手続きを前提に、補助的な手段として考えておきましょう。
先述のとおり、「労務提供上の支障」は会社が副業を制限できる理由のひとつです。入居者対応やトラブル対応、修繕の手配などを管理会社に任せておけば、勤務時間中にマンション経営の対応に追われる事態を避けやすくなります。本業と両立しやすい体制をつくっておくことは、勤務先への説明のしやすさにもつながります。
なお、公務員の方は民間企業とは異なる法律上のルールがあるため、公務員のマンション経営に関する記事もあわせて確認しておきましょう。
サラリーマンのマンション経営は、住民税の変化や法人化などをきっかけに、勤務先に知られる可能性があります。副業・兼業は原則として労働者の自由とされていますが、実際のルールは勤務先の就業規則によって異なるため、事前の確認と必要な手続きが欠かせません。
本業とマンション経営を無理なく両立させるには、管理を任せられるパートナーの存在も重要です。一人で判断に迷ったときは、勤務先の人事部門や税理士、実績豊富な建築会社・管理会社など、信頼できる専門家に早めに相談することをおすすめします。当メディアでは、サラリーマンのマンション経営やリスク管理に関連する情報を豊富にまとめていますので、ぜひ他の記事も参考にしてみてください。
1975年設立。総合建設会社として、RC工法を標準化したマンション建築、無料の24時間体制の賃貸管理、「お部屋探しのテクトピア」での入居サポートなど、建設から管理までトータルでサポート。