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日銀による金融政策の修正に関するニュースを目にし、「これから金利が上がったら、ローンの返済はどうなるの?」と不安を感じているオーナー様も多いのではないでしょうか。
金利の上昇は、毎月の返済額に直結するため、マンション経営の収支を大きく揺るがす可能性があります。しかし、過度に恐れる必要はありません。正しい知識を持ち、事前に準備をしておくことでリスクは最小限に抑えられるからです。
この記事では、金利上昇が具体的にどのような影響を与えるのか、そしてキャッシュフローを守るためにオーナーができる4つの対策について詳しく解説します。
まず押さえておきたいのは、金利上昇の影響をダイレクトに受けるのは「変動金利」を選択しているケースだという点です。
現在、不動産投資ローンの多くは変動金利で組まれています。変動金利は市場の動向に合わせて半年ごとに金利が見直されるのが一般的。そのため、政策金利が上がれば、それに連動して支払う利息も増える可能性が高いのです。
一方で「固定金利」を選択している場合、固定期間中は市場金利が上昇しても返済額は変わりません。契約期間内であれば影響を受けにくいといえますが、固定期間終了後の更新時には新金利が適用されるため、将来的なリスクがゼロではない点は理解しておきましょう。
金利が上がると、オーナーの手元に残るお金(キャッシュフロー)が減ってしまいます。これを理解するために重要なキーワードが「イールドギャップ」です。
イールドギャップとは、物件の実質利回りと借入金利の差のこと。
例えば、実質利回りが4.5%で借入金利が2.0%なら、イールドギャップは2.5%となります。この差が大きければ大きいほど、手元に残る利益は多くなります。
しかし、借入金利が上昇するとこの差が縮まってしまいます。家賃収入が変わらないまま返済利息だけが増えれば、当然ながら利益は圧迫され、最悪の場合は収支がマイナスになる恐れもあるのです。
「影響があるのは分かったけれど、実際いくら増えるの?」という点が一番気になるところでしょう。
わずかな金利差でも、長期のローンでは総返済額に大きな差が出ます。ここでは具体的な数字を用いて、金利上昇時の返済額をシミュレーションしてみます。
仮に、借入残高3,000万円、残りの返済期間が25年の状況で、金利が2.0%から2.5%へ「0.5%」上昇したケースを考えてみましょう(元利均等返済の場合)。
| 条件 | 毎月の返済額 | 総返済額 |
|---|---|---|
| 金利2.0%の場合 | 約127,156円 | 約3,814万円 |
| 金利2.5%の場合 | 約134,585円 | 約4,037万円 |
このケースでは、毎月の返済額が「約7,400円」アップします。月単位で見れば許容範囲と感じるかもしれませんが、完済までの総額で見ると「約220万円」も負担が増える計算です。
たった0.5%の上昇でも、長期間ではこれだけのインパクトがあります。ご自身の借入状況に合わせて一度シミュレーションを行い、金利上昇に耐えられる収支構造かを確認しておきましょう。
金利の動き自体は、私たち個人の力でコントロールできません。しかし、自分の資産を守るための対策なら今すぐにでも始められます。
金利上昇リスクに備えるため、オーナーが検討すべき4つの具体的なアクションをご紹介します。ご自身の状況に合わせて、できることから取り組んでみてください。
手元の資金に余裕があるなら、まず検討したいのが「繰り上げ返済」です。
繰り上げ返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類がありますが、金利上昇対策としては、毎月の返済額を減らせる「返済額軽減型」が有効な選択肢となります。元金を減らすことで支払う利息の総額を圧縮できるため、将来的な金利上昇リスクへの耐性が高まります。
ただし、手元の現金を使いすぎると突発的な修繕費などに対応できなくなる恐れも。キャッシュフローとのバランスを見ながら慎重に行いましょう。
現在借りている金利よりも低い金融機関が見つかる場合は、「借り換え」も有効な手段です。
特に、数年前に高い金利で契約したまま見直しをしていない場合は、借り換えによって返済額を大幅に減らせる可能性があります。また、変動金利から固定金利へ切り替えることで、将来の金利上昇リスクを確定させるという考え方もあります。
注意点としては、借り換えには登記費用や事務手数料などの諸費用がかかること。目先の金利差だけでなく、諸費用を含めたトータルコストでメリットが出るかをしっかりと計算する必要があります。
金利が上昇する局面では、一般的に物価も上昇(インフレ)している傾向にあります。そのため、周辺相場に合わせて家賃の「値上げ」を検討するのも正攻法の一つです。
入居者が入れ替わるタイミングで募集家賃を上げたり、更新時に交渉を行ったりすることで収入を増やせれば、金利上昇によるコスト増を相殺できます。
もちろん、相場を無視した値上げは空室リスクを招きますが、設備を一部リニューアルして付加価値をつけるなど、入居者が納得できる理由を用意すれば成功率は高まるでしょう。
「繰り上げ返済をする余裕がない」「家賃アップも難しい」という状況であれば、思い切って物件を「売却」するのも一つの戦略です。
不動産価格が高騰しているタイミングであれば、売却益(キャピタルゲイン)を得て利益を確定できるかもしれません。収支が悪化した物件を持ち続けるよりも、一度現金化して資産を組み替えたり、より収益性の高い物件へ投資し直したりする方が、トータルでの資産形成にプラスになる場合もあります。
保有し続けることが目的化しないよう、出口戦略も含めた柔軟な判断を持つことが大切です。
金利上昇はマンション経営にとって確かにリスク要因ですが、一方で「インフレに強い」という不動産投資ならではのメリットが発揮される局面でもあります。
重要なのは、ニュースに踊らされて不安になることではありません。ご自身の物件で「金利がいくら上がったら収支はどうなるか」を冷静にシミュレーションし、繰り上げ返済や家賃の見直しといった具体的な対策を打つことです。
状況を正しく把握し、早めに行動を起こすことで、金利上昇局面でも安定した経営を続けることは十分に可能です。
当サイトでは、この他にもマンション経営に関する基礎知識・コラムを多数掲載しています。安定したマンションを運用するためにも、ぜひ参考にしてみてください。
1975年設立。総合建設会社として、RC工法を標準化したマンション建築、無料の24時間体制の賃貸管理、「お部屋探しのテクトピア」での入居サポートなど、建設から管理までトータルでサポート。